尻腐れ病の原因

尻腐れ病の原因についてはカルシウムの不足とされます。

さらに、そのカルシウム分の不足を分けてみると、

①そもそも土にカルシウム分が少ない。

②土にカルシウム分があるのに実に届かない。

ということになります。

 

原因が①であれば、カルシウム分が足りないわけだから、普通は土や木にカルシウムを施せばいいと考えます。

ところが、そうした対策を施しても、効き目を感じることは少ないのです。

 

つまり、現実には②が原因で、カルシウム分があっても実まで吸収できていないことがほとんどだとされます。

確かにトマトはカルシウム分を多く吸収するとか、好石灰(性)植物とか言われているのですが、畑では植付け前にカルシウム分を補給していれば、そんなに多発することはありません。
(私は畑とプランターと両方で栽培していますが、畑では毎年場所を変えることもあり、最初だけ石灰を与えるだけで発生はわずかです。しかし、プランターでは多発します。)

根が弱ったり、肥料のバランスが悪く肥料成分同士の競争(拮抗作用)によって、カルシウムの吸収がうまくいかない結果、起きることのほうが多いのです。

(カルシウムの吸収のされ方については別のページに書いてみます)

尻腐れはプランターで多発しますが、プランター特有の環境にも原因があると考えられます。

プランターでは土が限られていて、 流れ出た養分や水分は2度と戻ってきません。

最初にあげた元肥の種類によって、さらに水やりの頻度によって、溶け出し方が変わり、効き具合、効果の切れる時期が違ってきます。

元肥の与え過ぎ、とくに窒素分が多すぎると、茎、葉が大きく繁り、あるときから養水分を急激に吸い上げ始めます。

その結果、急激に水やりの量が増え、窒素、カリ、マグネシウムといった成分が多く吸収され、反対にカルシウムの吸収が抑えられて不足する状態になります。

尻腐れの発生は下段で少なく、4段目あたりから多発するように、気温が上昇し茎葉が大きく繁ることで水分の吸い上げが急激に増える時期と一致します。

 

糖度を上げたいということで極端に水を制限する方もいますが、カルシウムも含め養分は水分とともに吸い上げられ、木全体に届けられています。

甘いトマトを作りたいというのは、トマトを栽培する方の多くが持つ目標かも知れませんが、そもそも、ご自分の理想のトマトを畑ではなくプランターで実現しようとするのはかなり難しいことです。

とくにトマトを初めてトマトを作る方は、まずは収穫できるトマト作りを目指したほうがいいのではないでしょうか。

水やりは畑のトマトの場合ではほとんどなくても育てることもできますが、プランターや鉢で栽培する場合はそもそも土が限られていて乾燥しやすいので、木が大きくなるほど適度な水やりは必須です。

7月や8月になって木が最盛期のころには1日で1株2リットル以上の水分が蒸発していくといわれます。

それを最初のころと同じように少ない水やりをしていては明らかに水分不足になります。

プランターでのトマトの水やりが難しいのは、それぞれの環境(栽培地域、天候、気温、日照条件、使っている用土の性質、量、水はけ、肥料の状態など)が違うわけで、どの位の水をあげたらいいか量的に数字で表すことは難しいことです。

一般的には土の表面が乾燥したら、下からしみ出るくらいたっぷりあげるといわれることが多いのですが、あくまでもご自分で萎れ具合や土の表面の乾燥具合を見ながら判断するしかありません。

 

カルシウムは果実の細胞が発達していく上でうえで大切な要素ですが、実の細胞ができ始めるころに不足すると、正常な細胞が作れず壊死する部分が出てきます。

その症状が表に見えてくるのが尻腐れ病です。

 

花ができるころには実の大きさが決まりつつあるともいわれていますから、すでにそのころに原因があるわけで、外見的に見えてきたときには、もう手遅れなわけです。

こういうことから、病果に対しては、症状が出たあとから土にカルシウム分を供給しても、もう間に合わないのです。

 

プランターでトマトを初めて栽培するときは、畑での農家の栽培方法のまねをせず、適湿か、やや乾燥気味程度にして、しっかりと太陽に当てたほうが美味しくなるのではないでしょうか。 

結局、さまざまなことが要因となり実に必要な量のカルシウムが届かないことが、尻腐れの原因ということになります。

じゃあどうするか、が問題です。

 

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